Top News 父喜紹介 徒然父山 喜也草子 CD 冷岩-coolrock- X'mas ×X'mas 父喜苑 2006.10.23.


■1969年の予言 〜ザ・ドアーズ〜   10.14.


父山であります。

BS2で放送されている音楽番組に「黄金の洋楽ライブ」がある。
いかにもNHKらしい垢抜けないタイトルであるが、往年の貴重なライブ映像が充実していて、なかなか見応えのある番組だ。

この番組で先日、ザ・ドアーズが1969年に行ったスタジオライブが放映された。
ザ・ドアーズは60年代のロック黎明期の代表的なバンドの一つで、ジム・モリソンの哲学的、幻想的な詞の世界と、
強靭かつ優美さのあるボーカルは、今も世代を越えた人気を集めている。

実は小生、このバンドはいわゆるロック・クラシックの一バンドという認識くらいしかなく、さして好みという訳でもないのだが、
ライブの間に挟まれたインタビューに興味をそそられた。

インタビュアーの「今のロックには解りやすさが好まれている事についてどう思うか?」という質問に対してモリソンは、
アメリカの音楽事情と展望にについての意見を述べた後に、こう語っている。

「今、想像出来るのは、一人の人間が多くの楽器や電子音楽を操る姿だ。一人で同時に歌って演奏もやるようなね。」

当時既にシンセサイザーを自動演奏する装置(シーケンサ−)は存在したが、機能はごく限られたもので、電子音楽は実験の枠を出るものではなかった。
実用に耐える自動演奏が可能になったのは、YMOでお馴染みのローランド社のマイクロコンポーザーMC-8の登場(1977年)からで、
モリソンの言う「一人で同時に歌って演奏もやる」を厳密に実現したのは、小生の知る限り1983年に登場したハワード・ジョーンズが最初ではないかと思う。

モリソンは14年後の音楽の未来を正確に予想していた。
テクノロジーが急速に進歩していた時代とは言え、これは生粋のミュージシャンには想像できない、想像したくない未来だったであろう。
彼が本質的には詩人であり、ミュージシャンではなかったから出来た予想なのではないだろうか。

そして現在、自動演奏は完全に実用化され、聴衆がそれをとりたてて意識することはない。
モリソンが今の音楽事情を知ったら、何と言うのだろうか?
そして14年後に何を予言するのだろうか?

聞いてみたい気がする。

■ザ・ドアーズ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%BA

■Roland MC-8 Microcomposer
http://en.wikipedia.org/wiki/Roland_MC-8_Microcomposer

■ハワード・ジョーンズ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%BA