| Top | News | 父喜紹介 | 徒然父山 | 喜也草子 | CD | 冷岩-coolrock- | X'mas | ×X'mas | 父喜苑 | 2006.04.20. |
■伝統と革新の融合 〜アディエマス/カール・ジェンキンス 04.10.
父山であります。
去る3月22日に、渋谷Bunkamuraオーチャードホールで「アディエマス/カール・ジェンキンス」公演を見た。
近年ではNHK「世紀を超えて」のテーマ曲で注目されたアディエマスだが、そのサウンドは「現代のクラシック」と呼ぶに相応しいのではないかと思う。
リーダー、作編曲家であるカール・ジェンキンス氏の経歴は少々風変わりだ。
カンタベリーサウンドの始祖といわれるイギリスのジャズロックバンド「ソフト・マシーン」に70年代から参加し、
81年に解散後はテレビ番組やコマーシャルの音楽を手がけて数々の賞を受賞。
90年代半ば、CMの依頼から端を発したアディエマスが世界各国でヒット。
現在は王立音楽院その他の重責を担い、大英帝国勲位も受けている。バンドマンからサーになった人物なのだ。
今回はフィンランドの9人の女性「アディエマス・シンガーズ」と、カザフスタンのストリングスオーケストラ、パーカッション、リコーダー、
ゲストプレイヤーはサックス、尺八という編成。
同期モノ(コンピュータ制御による演奏)を多少は使うかなと思いきや、多少のPAはしているものの全て生演奏であった。
アディエマスの音楽は基本的に「唄モノ」だ。
しかし歌詞は造語(一部ラテン語)で、特別な意味を感じさせない。
これが聞き手の想像力をかき立て、音楽の映像的な要素を高めている。
またその神秘性は多分に、彼の宗教観に由来するもののように思える。
古典音楽の調和と秩序を土台としつつ、現代的なハーモニーとリズムで再構成された楽曲は、単なるイージーリスニング、
ヒーリングミュージックで括れない「伝統と革新の融合」とも言うべき品格を備え、聴く者に深い感動を与えてくれる。
2部構成、3時間余りのステージは中だるみする事もなく、充実したものだった。
特に印象に残ったのは、アンコールでアディエマス・シンガーズが披露した、アカペラの「さくらさくら」だ。
そのハーモニーとリズムは、日本人の発想ではまず出て来ないであろう、ユニークで斬新なものだった。
映像音楽に携わる者の端くれとして、おこがましいのは重々承知の上で言わせてもらえば、これだけのサウンドを完全にコントロールし、
さらに発展させて行く彼のエネルギーと精神力、そして豊かな経験と音楽性に、深い羨望を覚えた。
オフィシャルHP
http://www.karljenkins.com/
日本語オフィシャルブログ
http://blog.eplus.co.jp/adiemus/