| Top | News | 父喜紹介 | 徒然父山 | 喜也草子 | CD | 冷岩-coolrock- | X'mas | ×X'mas | 父喜苑 | 2005.12.20. |
■師走と蕎麦屋 12.10.
父山であります。
今回は喜也に代わり、食べ物の話などを少々。
師走といえば大晦日。大晦日といえば年越し蕎麦。
実は小生、無類の蕎麦っ食いである。
といっても生粉がどうの、水回しが云々などと蘊蓄を語る「蕎麦マニア」ではない。
故・杉浦日向子氏の名著「蕎麦屋で憩う」が愛読書の、所謂「蕎麦屋好き」である。
蕎麦屋の醍醐味は「昼酒のささやかな非日常性」であると思う。
昼飯時を外した頃合いにふらりと立ち寄り、2、3品の肴と共に軽く一杯。
締めにもり蕎麦を一枚たぐって、さっと出る。
ものの本によれば、江戸時代の中期から良い蕎麦屋は良い酒を置いていたらしく、
蕎麦屋の座敷は昼酒を楽しむ為の場所であったらしい。
池波正太郎氏「鬼平犯科帳」は緻密な時代考証で有名だが、蕎麦屋の座敷で酒を呑む場面がしばしば登場する。
これが実に良い感じなのだ。
中には鬼平自身が蕎麦屋で酒を呑みつつ張り込みをする場面もあり、現代なら懲戒免職ものであろうが、これもまた役得かと羨ましい思いがする。
穏やかな昼下がり、人もまばらな蕎麦屋の片隅で独り呑みつつ、200年前の飲んべえに思いを馳せる。
由緒正しい日本人のリラクゼーションではなかろうか。
師走とはいえ忙中閑あり。
ひと時の非日常を楽しむ為に、今日も蕎麦屋の暖簾をくぐる小生である。