Top News 父喜紹介 徒然父山 喜也草子 CD 冷岩-coolrock- X'mas ×X'mas 父喜苑 2004.12.20.


【アイドル松田聖子 〜故 大村雅朗氏〜】 12.10.

父山であります。
今回は意表を突いて(?)「松田聖子」について。

デビューシングル「裸足の季節」が1980年、続く「青い珊瑚礁」の大ヒットでトップアイドルとなった彼女だが、
小生この人、というより「松田聖子」というブランドは、日本音楽史に大きな役割を担ったと思っている。

70〜80年代のアイドルの定義は、『同世代の異性の支持を受けている若手歌手』だった。
アイドルとは「偶像」つまりファンタジックな存在で、ここが現代と大きく異なる点ではないかと思う。
その中でも松田聖子はトップだったのだが、その成功の要因の一つに「楽曲の素晴らしさ」があるのは間違いない。
当時の日本の音楽業界では、歌謡曲とポップス(シンガーソングライター)の垣根が取り払われつつあった。
彼女の作品のクレジットを見ると、作詞の松本隆(ティン・パン・アレ−)を中心に、財津和夫(チューリップ)、ユーミン、大瀧詠一、来生たかお、尾崎亜美、原田真二など。
錚々たるメンバーによって書かれた楽曲は、従来の職業歌謡曲作家の「歌謡曲臭さ」を払拭し、洋楽指向の若者に抵抗無く受け入れられるクォリティを持っていた。

と、ここまでは良く知られた話だが、意外と語られないのが、アレンジャー(編曲家)の業績だ。

大村雅朗(おおむら まさあき)氏。1951年5月8日生まれ。1997年 6月29日没。享年46歳。
作曲家、編曲家として、松田聖子のサウンドを長期に渡って支え続けた、影の立て役者だ。
松田聖子作品での初出は多分「青い珊瑚礁」の編曲。
その後も「チェリーブラッサム」「夏の扉」「白いパラソル」等のシングルの他にアルバムでは楽曲提供と、短期間に膨大な仕事をしている。

作品の特徴を一言で表すならば「ロマンティック」。
スタジオのテクノロジーが急速に進歩した80年代の楽曲は、ギミックを含んだアレンジが楽曲の一部として重要性を増していたが、氏の作品は、
テクノロジーと伝統的な技法のバランスが素晴らしい。
分析的に見るとその緻密な構造に驚かされるが、それが全く鼻に付かない。
ミディアム〜スローナンバーに名作が多いが、氏の作編曲による「SWEET MEMORIES」「真冬の恋人たち」「セイシェルの夕陽」は、
いまだに小生のフェイバリットソングである。

氏のサウンドは、多感でミーハーなバンド小僧だった小生に大きな影響を与えた。
どちらかと言えばプレイよりもトータルサウンドの方に興味が強かった小生は、その新鮮なサウンドに大いに興味を引かれ、
当時としては珍しかったスタッフクレジットをチェックし、新人だった大村氏に注目していた。
ストリングスの組み方、カウンターメロディの作り方、ディレイ、リバーブの効果的な使い方などは、氏のサウンドから学んだところが多い。
何より、アレンジが楽曲の一部として欠かせない存在である事を認識させてくれたのは大きかった。

父喜作品の中でも、「Believe in you」のストリングスとシンセの使い方、ドリーミングなリバーブ感は氏の影響と言える。
また「Picnic」は「夏の扉」のオマージュ的作品だ。

46歳の若さで他界されていた事を、つい先日知った。
詳しい状況は知る由もないが、その膨大な仕事量を考えると、一因はそこにあったのかも知れないと思ってしまう。

激動の日本音楽業界を駆け抜けた、名もなき功労者に合掌。



■関連URL

松田聖子オフィシャルウェブサイト
http://www.seikomatsuda.net/

唯一のファンサイト~
http://www32.ocn.ne.jp/~ebinapage/