Top News 父喜紹介 徒然父山 喜也草子 CD 冷岩-coolrock- X'mas ×X'mas 父喜苑 2004.11.20.


【強さと優しさ/小椋 桂】 11.10.

父山であります。
今日は少し路線を変えて、アーティスト紹介の趣で。

皆さんは『小椋桂』というアーティストをご存じであろうか?
70年代叙情派フォークを代表するソングライターの一人だが、布施明『シクラメンのかほり』、井上陽水『白い一日』美空ひばり『愛燦燦』など、
多くのヒット曲を世に送り出している。
個人的には中村雅俊主演の、吉祥寺を舞台にした青春ドラマ『俺達の旅』主題歌の『俺達の旅』挿入歌の『ただお前がいい』の作者として思い出深い。
楽曲提供の傍ら、自身でも多くのアルバムをリリースしていて、独特の豊かな声質と、言葉を大切にした歌詞とメロディ。
パステル調のジャケットが印象的だった。
現在でもアニメ、ドラマの主題曲、挿入曲として起用される事が多いので、名前は知らずとも、誰しもが一度は彼の曲を耳にしているはずだ。

プロフィールがまた異色中の異色。
東大卒で第一勧業銀行勤務、最後は支店長になっている。
その傍ら膨大な作品を継続的に生み出し、退職後は大学に入り直して法学部を卒業している。

実は小生、中学生の頃からこの人には注目していた。
作品の素晴らしさはもちろんだが、そのライフスタイルに非常に興味があったからだ。
先日NHKアーカイブスで放送された、初のコンサート(1976年のNHKホール)「小椋桂の世界」を見て、何に惹かれたのかが解った気がした。

映像にはコンサート本編の他に、日常生活も収められていた。
「NHKのリハーサルなので、お先に失礼します」と上司に頭を下げる姿。
「みんなのうた」でヒットした「オナカの大きな王子さま」を子供と歌う姿。
コンサート本番で、オーケストラをバックにスーツ姿で歌う姿。

その全てが、見事に調和していた。

モノを作る事に携わる者にとって「日常」と「創作」のバランスを取る事は難しい。彼はそれを見事に両立させた希有な存在だと言える。
強固な意志と客観性、具体的なセルフコントロールの技術なくしてはあり得ないはずなのだが、彼はそれを少しも表に出さず、至って自然体なのだ。
そこに「強くて優しい」理想の人間像を感じ、惹かれたのだった。

映像の最後に、現在の彼(既に還暦を迎えているが精力的に活動されている)のインタビューが収められていた。
「歌を作ることを仕事と思った事はない。二足の草鞋ではなく、自分の外に日記のような歌作りがあり、仕事があり、社会的な繋がりがある、同心円的な活動だった。」

最も理想的なスタイルではないか。

あれから30年。未だに彼のようなアーティストに出会った事はない。

小椋桂オフィシャルページ
http://www.gfe.co.jp/ogla/index.html

リッスン・ジャパンでのディスコグラフィー
http://www.listen.co.jp/artdetail.xtp?artpg=rc&artistid=1148713