Top News 父喜紹介 徒然父山 喜也草子 CD 冷岩-coolrock- X'mas ×X'mas 父喜苑 2006.10.23.


■ことの葉


楽しいとき さびしいとき、
誰の頭の中にも、その時々で様々な歌が鳴り響きます。

思い出してみて。

ちいさい頃、お母さんとはぐれて迷子になった遊園地で
嘘をついて、お父さんに「ゴメンナサイ」が言えなかった食卓で
いとしさを感じ、この人とずっと一緒にいたいと思った帰り道で
この世の中で、自分だけがひとりぼっちなんだと泣いた、公園で
やさしさを受け、だけどやさしさを返せずに傷付けたメールで
いちばん大切だったんだと、無くしてから気が付いた、心の空洞で

いつでも「ことの葉」が、ソヨソヨと鳴っています。


1000年以上も大昔、人々の気持ちを歌にした歌集があります。
西暦905年(平安時代)に編集されたこの歌集には、詠み人知らずの歌も含め1111首もの和歌が収められています。
この歌集の仮名序(いまの本で言えば前書きの部分)の最初と最後の一文に、曲をつけて歌をつくりました。


    やまとうたは
    ひとのこころを たねとして
    よろづのことのはとぞ なれりける

    たとひとき うつりことさり
    たのしび かなしび
    ゆきかふとも
    このうたの もじあるをや
    いにしへをあふぎ
        (紀貫之/古今和歌集仮名序より)


                          (現代訳)
                          歌は 人の心が種になって
                          いろいろな言葉になったそうで

                          たとえば あした
                          笑ったり泣いたり
                          どんなあなたでいようと
                          歌を忘れずにさえいれば
                          古(いにしえ)を仰ぎ


現在制作中の父喜3枚目CDの、1曲目にふさわしい「ことの葉」です。
「言葉が生まれいづる」風景から、曲名は『無国(ナシノクニ)』と付けました。
厳粛でまっすぐで生まれたての気持ちで、唄いたいと思っております。

ソヨソヨ。