| Top | News | 父喜紹介 | 徒然父山 | 喜也草子 | CD | 冷岩-coolrock- | X'mas | ×X'mas | 父喜苑 | 2005.08.20. |
■ いさかいは消せますか?
・・・・・・それはずっとずっと昔の夏のこと。
私には婚約者がいました。
手もつないだことのない彼でしたが、かけがえのない大好きな人でした。
いつかはこの人と鳥のツガイのように、ふたりで暮らし子供を育て、楽しい思い出をたくさん作り、ふつうでしあわせなおばあさんになるのかな・・・
と、夢見ていました。
ある日、彼が遠くの国へ行くことになりました。
出発の朝に私はこう言って送り出しました。
「いってらっしゃい! がんばって!」
そうして彼は二度と帰っては来ませんでした。
私が「いってらっしゃい」と送り出したのだから、私が彼を『殺した』のです。
ずっと被害者だと思っていましたが、本当は私は加害者でもあったのです。
今から60年前の1945年の事でした。
・・・・・・深夜に車を運転していたら、ラジオから穏やかでやさしいお婆ちゃんのお話が流れてきました。
声の主は、関西に住む83才の随筆家、岡部伊都子さんでした。
「誰が何と言おうと、戦争は絶対にいけない事です。もぅ二度とあんな悲しい想いを誰もしてはあきまへん」
どんな「お偉い」センセイよりも、どんな「緻密な分析」をする評論家よりも、どんな「ピースフル」な平和運動よりも、
その時その場に生きていたふつうの人たちの「ことば」が、いちばん心に届いてきます。
小賢しい駆け引きのないほんとうの気持ちが、うつくしく感じました。
ワタシには。
かなしい経験をしたあと、この国は「憎しみの連鎖」を断ち切りました。
・・・いさかいは消せますか? えぇ そう望めば・・・
「探偵神宮寺三郎 KIND OF BLUE」の曲「BLUE OVER THE BLUE」では、そうゆぅ大きな過去も含めた、『人のすべての争い』を考えながら歌詞をつくりました。
『加害の女(ひと)』 岡部伊都子著
いつまでもお元気で。