Top News 父喜紹介 徒然父山 喜也草子 CD 冷岩-coolrock- X'mas ×X'mas 父喜苑 2004.07.20.


【英語のアノ曲が出来るまで】

[2003年7月12日18時すぎ 自宅にて]

あと1時間しかない・・・。
日本一うまいご機嫌なSOULを聴かせ、しかも踊らせてくれる先輩バンド『南條Soulバンド』のライブへ行きたい・・・。
明日は父喜ミーティングだし、あさっては友達と湖へ行く約束だし・・・。
【いま】を逃すと出来ない・・・。
そう 【いま】しかない。

それをさかのぼる事4〜5日前、ハードボイルドアドベンチャーゲーム『探偵神宮寺シリーズ』のサウンドディレクター馳見大地君から、
2004年春発売予定(当時)の『神宮寺』9作目のラフなシナリオをいただきました。
神宮寺シリーズは、ファミコン時代から数えて17年もの間発売され続けている探偵ものゲームです。
ワタシと神宮寺シリーズとの出会いは1998年に発売された6作目『夢の終わりに』で、エンディング曲『真昼の三日月』を唄わせていただいたのが最初でし た。

9作目のシナリオは『失われた曲を捜す』とゆう、曲とゲームが一体化したとても素敵なお話で、イメージ曲としてジュディ・ガーランドの『虹の彼方に』 ビリー・ホリディの『What's New』、
そしてサラ・ヴォーンの『Misty』などのスタンダードJAZZの音資料もいただいていました。

ワタシは唄を創るときいつも、目をつむって自分の周囲に唄の景色を妄想します。
それは漆黒の森(je t'aime)であったり、明け方の出雲大社あるいは仙台松島の圓通寺(夢常ノ舟)であったり、知覧から飛び立つ特攻隊機を見送る 開聞岳(最後の望み)であったりします。

TVを消して、しんと静まりかえった部屋で目をつむったら、
『ちょっと着飾った男女が、カクテルを楽しみつつ見つめあう古びた50年代NYのJAZZバー』や、
『あまり高価でない真紅のスリップドレス、それと同色の借りて来たイヤリング姿の自分(NYに暮らすチャイニーズ系)』、
そしてピアノトリオでの『Lover come back to me』が終わり、『10cmくらいの段差のステージにあがり微笑みながら息を吸う自分』
くちびるの先には、古い形の角張ったスタンドマイク
そして なにも考えずに息を吐き出し
「BLUE〜, 」

実際には外国は香港しか行ったことありませんし、純粋浅草っ子ですし、50年代まだ前世ですし、iBookの内蔵マイクに向かって唄ってますし。
嘘つきは唄うたいのはじまり。 へへ。

[同日 19:20]

SoundJamとゆう録音ソフトで、iBookに記録されたAIFFファイルをmp3に圧縮した後、すぐに馳見君に送りました。
無事ライヴに行くことが出来ました♪

[2003年7月13日]

Bメロ以降の細かなメロディの修正も、馳見君との間で完了。
「♪Can you see there, a piece of sorrow ?」部分のメロは、ワタシがつくった方よりも馳見君の考えたフレーズの方がドラマチックで広がる感じでし たので、即そちらを採用。
その後につづく「♪Weep, if you saw it so」をつくった時は、たぶんカレン・カーペンターが憑依していたような気が。

簡単なカラオケを馳見君につくってもらい、もぅ一度きちんと唄い直し、これでデモ音源の完成です。
まだ歌詞をつけていないので『ほにゃららインチキ英語』でしたが、テーマ曲のコンペに出しました。
無事湖にあそびに行くことも出来ました♪

湖

[2003年11月下旬]

曲を使っていただけることになりました。けれど喜んでいてばかりはいられません。
最初から分かってはいましたが、歌詞の指定が英語なのです・・・。
英語の唄は耳から入るので唄えはしますが、作詞はやったことがありません。

そこで、以前PCゲーム『SinsAbell〜緋昏し空の遠く〜』のレコーディング時に知り合った上條氏(エンディング曲『AGAIN』の英語作詞者)に連絡を取ろ う!と思い立ち、早速連絡しました。
さて 早く日本語での意味的な詩をつくらなくては!

[12月12日 はじめての「談話室 滝沢」(新宿)]

英訳の上條氏、馳見大地君、ワタシの3人で打ち合わせしました。
なんだか・・・面白い喫茶店ですねとゆうのが正直な感想。
ごはんメニューが少ない・飲み物高い・iBOOK置くとテーブルのスペースがなくなってしまう・内装古い・・・。

かわいそうだから長所をさがしました。
ひとつ発見。 BGMがない(小さい?)ので、打ち合わせが進みます。

帰り際『喜也さん、いいもの送りますからね』
はい、なにかしら。期待して待ってます。わくわく。

[12月17日]

上條氏から添付ファイルが届きました。
いいものってこれかしら。なんでしょう。ダブルクリック♪

『はい。おはようございます。それではレッスン行ってみましょう。
 BLUE, OVER THE BLUE
 OVERのヴァは、バに聞こえないように。
 はい、それではいっしょに〜 BLUE, OVER・・・』

それは『BLUE, OVER THE BLUE』の歌詞の英語レッスンmp3でした。
1番2番の歌詞全部の発音レッスン・・・。

起き抜けに、大笑いしてしまいました。 上條さんごめんなさい。
だけどがんばってレッスン受けましたよ。
異国語はとてもむつかしいです。

[12月27日 渋谷Swing Bamboo Studio]

今日は神宮寺9(仮)のレコーディング日。
午前中から馳見大地君とワークジャムの西山プロデューサーはスタジオ入りしていて、サックス、トランペットなどのレコーディングを行っていました。

唄の収録は夕方からだったので、スーパー銭湯でスチームサウナに入ってからスタジオ入りしました。
喉があったまって声が良く出るようになるのです。
精神的にもリラックス出来て良いですしね。

たった1日、14時間ちょっとで、唄・SAXなどの上モノすべての収録をしなくてはならないので、この日誰が一番大変だったかとゆうと、
馳見君はもちろんですが、エンジニアの鈴木氏ではなかったでしょうか。
けれどそこは売れっ子敏腕エンジニア。とても素早く進行しました。

食事の後、滞りなく英語唄収録も終わり「これも録っておきましょうか」と、ゲーム中で登場人物が泣きながら唄い出すバージョンも録りましたが、
これは使われず、声優さんのヴァージョンで発売されました。

そしてエディ役のPANTA師匠の病床スキャット部分の収録。
唄が酸素マスク越しに聞こえる設定でしたので、紙コップを口に当てての収録でした。ダースベイダーのような息づかいが怖いです。
スタジオ中大興奮のうちに終わりました。

すべての収録が終了したのは、夜中の2時すぎ。
これでやっと「ゆったりと」年を越せますとゆう安堵感がスタジオ中に満ちあふれていました。

そしてあなたに『探偵神宮寺三郎 KIND OF BKLUE オリジナルサウンドトラック』が届きました。気にいっていただけていたら、とてもうれしいです。

曲づくりとCDづくりは、料理とおなじ。
タイミングとレシピと料理人たちと。
そして「美味しいごはんをつくりたい」とゆう情熱。

今日はハヤシライスをつくりました。